タイピングハイ! さみしがりやのイロハ (角川スニーカー文庫)作者: 長森浩平,橘りうた出版社/メーカー: 角川書店発売日: 2004/10/29メディア: 文庫 クリック: 9回この商品を含むブログ (27件) を見る

※自分には合わない作品と言う前提をおいて感想を書きます。
この作品の世界観は基本的にコンピュータの世界であり、
コンピュータが人間の肉体的な面にも影響しているらしく、
「存在確率」と言うものと関係しているみたいだが、詳しくは語られていない。
コンピュータの世界と言う事で気になるのが設定上の技術レベルになるが、
そこでインターフェイスに注目してみると、
自然言語による対話型の端末はおろか神経接続なるもの
(AIの育成やレプリケーション時に使われていた)まであり、
そもそも「会長」のような存在が許されるなら、
攻殻」で言う「電通」のような概念もあるはずだ(作中では語られていないが)。
そんな世界でノートPCのような端末一つで活躍する凄腕ハッカーと言うのは違和感を覚える。
AIにしても、大枠ではネットに存在する概念のように見受けられるのに、
「AI素子」などと言う物理的な概念で出来ているようなところもある。
この世界におけるコンピュータやネットの定義が曖昧なまま語られているような感じだ。
「存在確率」と言うのはキーワードとしては惹かれるものがあるが。
しかし、この作品の一番の問題はとにかく読みにくい点にある。
展開だけでなく、会話ですら ?と思うシーンが頻発し、どうも間が飛んでると言うか。
作者の脳のDUMPが足りてないと感じるのは自分だけないと思う。
言い回しにも引っかかる物を感じる。
なにより自分には会わないと感じる最大の要因は
キャラ同士の関係が殺伐としすぎている点。
ペンネームにある他意を感じた身としては全く期待してない内容でした。
次巻は多分読みません。