劇場版CLANNAD -クラナド-

私は原作ファンではありますが、映画化やメディアミックス化に当たって過度に原作を模倣する必要性はないと思っています。
それぞれ作る人は違う訳だし、作る人毎にも拘りもあるだろうし、逆に違うところこそが面白いんではないだろうかと、
それはAIRの時もそう感じていましたし、あれは出崎流のAIRだと理解しました。
今回のCLANNADにしても例えば、朋也の父親が大幅にアレンジされていましたが、出崎監督の父親像があったからああなったんだろうと思います。
まあこの辺はなる程と思えます。
しかし残念ながら、どうしても結末には納得できませんでした。
朋也が絶望しているシーンが幾度となく挿入されている時点で嫌な予感はしていました。
そしてそのままラストを迎え…予感は的中。
多少はアレンジされていましたが、これでは原作のシナリオを途中でぶった切っただけではないでしょうか?


パンフ中の出崎監督のインタビューから抜粋
>作っている途中で「ゲーム中だと、汐も死んじゃうんですよ」と教えられて「なんだと!」と言ってさ、怒ったよ(笑)。
CLANNADの肝と言える部分なのに、それを知らずにシナリオを考えるなんて…
まあ、そこが納得できなかったからあのようなラストになったのでしょうが…


原作のシナリオはゲーム特有の手法で語られたものなので、映画で再現するのは難しいかも知れません、
ただそれなら出崎監督独自の展開があっても良かったのではないかと。
原作の結末に納得できないなら納得させような展開が欲しかった。
今回のCLANNADについては厳しい評価を出さずにはいられません。