DS電撃文庫 イリヤの空、UFOの夏(通常版)出版社/メーカー: メディアワークス発売日: 2007/01/11メディア: Video Game購入: 1人 クリック: 1回この商品を含むブログ (13件) を見る

今後いかに紙媒体が電子化されていくのかと言う個人的興味において
まずは本の電子化だろうと常々思っている訳ですが、
有望なものは未だに出ていないのが現状です。
そんな中、個人的に興味をよせているのが端末としてのニンテンドーDSであり
さらにコンテンツとしてのDS電撃文庫です。
発売されている原作の内アリソン、イリヤの空、UFOの夏は読了済み、
いぬかみっ!は原作未読ですがDS版はボリュームも少ないらしく、
フルボイス仕様の高付加価値商品なので、
これは電子ブックとしての可能性を試したいというコンセプトに外れるのでパス。
(個人的にフルボイスとかそういうのはPSPでやってもらいたい)
と言うわけでイリヤの通常版を購入。
全4巻中2巻しか収録されてないのに、タイトルにVol.1とかついていません。
今のとこ続きを出す予定がないことが伺えます。
あくまで実験作ってことでなんでしょうか。
文庫2冊分と考えると定価\3,360は高価ですが、
ミニゲーム等をつけて補っていると言う感じでしょうか。


作りについて
ノベルパートについては作りこみの甘さが目立ちます。
まず、通常のテキスト表示が右画面のみと言う点、これは両側に出して欲しかった。
左画面にはバックログが表示されますが、バックログに専用の画面は要らないと思います。
さらに文字表示が一文字ずつ表示固定な点、一括表示の設定が欲しかった。
人によっては読む速度に表示スピードが追いつかないと思います。
ボイス付きならボイスにあわせた文字表示がありますが、
そもそもこれはボイスなしだし、その辺の設定がないのは駄目でしょう。
文字サイズも少し小さいかなと思います。
DSで本の感覚を再現した例として脳を鍛える大人のDSトレーニングの名作音読があります。
ライトノベルは挿絵の表示が必要ですが、基本的にあれぐらいのがちょうど良いかと。


展開について
私が強く希望するのはいろんな作品を本と同じ感覚で手軽に買いたいと言うことです。
今回は各作品のファン向けと言う感じですが、路線の見直しをしていただきたいなと。
安価にするため小説本文、挿絵以外の要素を排除し、もっと多くの巻数を収録。
ファンの為にプラス\1,000程度でおまけ付き限定版はあっても良いと思いますが、
通常版では文庫本一冊の倍額程度が個人的許容範囲ですね、
DSは半導体メディアなので1巻収録\1,000は難しいかも知れませんけど、
2巻収録で\2,000ぐらいで何とかならないものでしょうか。
バリエーションとしてダウンロード販売もあってもいいと思います。
かつてのニンテンドーパワーのような書き込み用カードが必要ですが、
PCを経由せずDSにしかダウンロードできない仕様にすれば、
電子ブックで常に懸念されるコピーの氾濫もある程度は防げるのでないでしょうか?
書店流通版についても漫画専門店だけでなく普通の本屋に並ぶように広く展開してほしいですね。


上記の点をクリアすれば、電子ブック媒体としてDSとDS電撃文庫はかなり有望だと思います。
ソニーや松下が専用端末を出していますが、使っている人にお目に掛かったことはありません。
携帯で見る小説もありますが、電車の中で小さい字を追うのは目にもつらい、
やはりなるべく大きな画面が良いと思います。
いまや老若男女が買い求め、国民機と言っても過言ではないDSにこそ
その役割がふさわしいのではないでしょうか?
今後の展開に大いに期待したいです。